『倒産続きの彼女』読了
生き方を刺激してくる社会派ミステリーだな
『元彼の遺言状』も読んだ上でやはりこう思った
作者は弁護士らしい
通りで弁護士としての振る舞いや洞察の描写がリアルなの訳だ
自分が弁護士なのかと疑うほどに内容が詳細にすんなりと心に入ってくる
言葉選びが秀逸だった
簡単なあらすじを言おう
主人公は前作とは打って変わって、美馬玉子という別の弁護士となる
もちろん前作の主人公の剣持麗子も、同じプロジェクトの上司として登場する
そのプロジェクトがかなり奇妙なのだ
それは「転職をするたびに会社を倒産させている女がいる」という内部通告について調べるというものだ
もちろん、その女が今現在働いている会社も倒産の手続きをしている最中だ
その女の身辺調査を進めて行くうちに、問題の闇が浮き彫りになっていく
そんななか、さらなる事件が起こる
闇に包まれた問題の真相はいかに
おおまかなあらすじはこんな感じだが、ところどころに社会派ミステリーを感じさせる部分がある
弁護士という目線を通じて語られるからこそ、それはより鮮明なものになっているのかなとも思う
もちろん、社会派というのが1番推したい要素ではなく、シンプルにミステリーとしてかなりおもしろい
事実として描写されている伏線が見方を変えることによって回収されていき、最後には真実を照らす
ムダがないミステリーで個人的にはかなり面白いと感じた
シリーズになっていて本作品は2作目らしいが、3作目もすでに発売されているらしい
まだ買っていないが、さっさと買って早く読みたいと思う
10点満点で9点は超える作品だった