『14歳、明日の時間割』読了

「生きている」ことを中学生から学べる本だ

 

そして、中学生が書いていることに驚きを隠せなくなる本だ

 

あらすじというあらすじを書くのは少し難しい

 

というのも7編からなる短編小説だからだ

 

全編を通じてとある中学校が舞台となっているが、各編で伝えたいことは様々だ

 

ユーモア溢れる話から友情や絆を感じられる話、泣ける話まである

 

だが、どの話をとってもどこか懐かしいような感情になる

 

そして、生きているんだなとしみじみ思ってしまうのだ

 

何も知らずにこの本を読めば、誰も中学生が書いたとは見抜けないだろう

 

それくらいには言葉選びが巧みで、書きたいテーマとなる感情が核心をついてくる

 

舞台が中学生で、言葉選びが秀逸だからこそ、読者が本の中に取り込まれて中学生を生きているような感覚になるのだろうか

 

それが懐かしさを感じさせる理由になっているのかもしれない

 

作者が感じたことを鮮度の良いままに言葉にしているのも、言葉選びの秀逸さに関係しているのかな

 

作者が中学生というフィルターを通していろいろと述べてしまったが、そのフィルターを排除しても心を揺さぶる作品に思う

 

10点満点で8点だ