小説『ルビンの壺が割れた』読了

正直な感想を言う

 

絶賛するほどの面白さはないなと思った

 

長らく積読してた作品で、買った当時の店頭に並ぶ賞賛の声がどんなもんだったかは明瞭には覚えていない

 

店頭に積んである本の近くに並べられた読者の声や、Twitterの読了ツイートでの高評価をもとに買ったが、本当にそんな面白いか?と思ってしまった

 

読む前からかなりハードルを上げてしまったなとも思ったが、それでもかなと思う

 

理由は1つ

 

どんでん返しがないということだ

 

自分の思うどんでん返しは、こんな続きなんだろうなと予想して、それが真逆に覆されることを言う

 

読者の予想をうまく誘導するのもいい作品だし、誘導が上手くなくても真逆に覆されればいい作品だ

 

この作品はどうだろうか

 

予想という予想があまりなかった

 

もちろん謎は多いのだが、謎がすぐ次のページで明かされ、また次の謎が出てすぐ明かされる

 

予想する暇もなく事実を述べるので読み手の心情がそこまで動かないのが面白く感じない理由なのではないかと思った

 

自分の思う1本のストーリーが壊されるのではなく、読み進めることで思っているストーリーが伸びていくだけのような感覚だ

 

じゃんけんをする時に、メンタリズムで相手に操られて負けるのではなく、ただ後出しじゃんけんをされて負けている感覚とも言える

 

どう言うこと?という疑問が浮かばず、ただそうなのねと事実を受け入れるだけ

 

そんな作品だったと思う

 

一応構成とかあらすじを伝えておく

 

2人のFacebookでのやりとりでストーリーが進む構成

 

今ではおじさんおばさんになった男女が、付き合ってた学生時代での、闇に包まれたお互いの過去を明らかにしていくストーリーだ

 

メッセージのやりとりを通して2人の性格や心情を読み取っていくが、やり取りからその性格や心情は正しく読めてますか?

 

新たな情報が明るみに出ることで、思ってた人間像は崩れていく

 

面白いか面白くないかで言えば面白い

 

だが、絶賛するかしないかで言えば、絶賛するほどではない

 

そんな作品であった

 

もう一度読むことで深みが出るって感じでもない印象なので、再読しない可能性が高い