ノスタルジーを感じさせる難しさ

ノスタルジー

 

それは郷愁とも訳され、懐かしさや失ったものを恋しがる感情のことを言う

 

誰しもが、場所や言動、場合によっては匂いとかにもノスタルジーを感じるものだろう

 

しかし、それは個人の経験に過ぎない

 

そのノスタルジックな事物と感情を誰かに伝えることはそう簡単ではない

 

もう会うことのない家族、遠い昔に別れた恋人、跡形もなくなった家

 

同じ感情で同じ事物を感じ取った人はこの世に誰1人として存在しない

 

自分にしかない、唯一無二のノスタルジックな感情を誰が共感してくれようか

 

そう思ったが、ノスタルジー映画はそれを可能としている

 

もちろんそこまで個別具体的な経験や感情を表しているものではない

 

だが、多くの人が共感できるノスタルジーを描いているのだから、相当に表現に拘ってないと無理だろう

 

おそらく監督は、誰よりもノスタルジーを感じてきて、何を持ってノスタルジーと感じられるかを読み取れる天才なのだろう

 

いや、天才ではないのかもしれない

 

自分の感情に敏感で常に分析を欠かせなかった結果なのだろう

 

ただ、やっぱりノスタルジーをそのまま受け取ることが1番感情を揺さぶるのかもしれない