『エッセンシャル思考』#読了
一言でいうとこの本は、「より少なく、しかしより良く」を実現させるためのツールである
世の中にはやった方が良いことが溢れている
そして、世の中の人はやった方が良いことに踊らされて何も成し遂げられない
そんな人生でいいのか、幸せを掴むためにはやった方が良いことを何でもかんでもやるのが正解なのか
一度考えてみると、エッセンシャル思考が意味を持ってくると思う
あらすじを簡単に説明する
4章で構成されている
①エッセンシャル思考とは
②エッセンシャルなものの見極め方
③エッセンシャルでないものの切り捨て方
④エッセンシャルなものを選び、エッセンシャルでないものを捨てるための仕組化
の4章立てだ
一番肝心な部分はやはり1章のエッセンシャル思考の理解の部分だ
なぜエッセンシャル思考が大事なのかを知らないと、ただ大事なことを選べばいいんでしょと思ってしまう
そんな簡単なものではない
やった方が良いことは無限にあふれているのに、人生は短すぎる
何かを成し遂げるには寄り道している暇はないんだから、重要なものが何かを見極めて、やらなくていいことにはちゃんと切り捨てて、このようなサイクルを常に回せるようにする
それがエッセンシャル思考だ
実は読む前は、効率的に作業が進められるようにしたいなとか、無駄を省きたいなとか、そんなタスクレベルのテクニカルな考え方を想像していた
だが読んでいて、これはタスクレベルの話じゃなくて、人生レベルの規模感がテーマなんだなと思った
もちろんタスクレベルでも活用できるが、言いたいのは人生レベルの話
じゃあどうやるのかってのがいろいろ書いてあるので自分で読んでみるといいだろう
個人的には、重要なことが何かを判断する評価軸が必要だなと思った
人生で何を成し遂げたいのか
業務で何が最も求められているのか
目標を明確にしなければ、評価軸も明確にならない
この本は評価軸が明確な人にとっては有用な本なのかなと思う
一方で自分は、人生で成し遂げたいことが明確には定まっていない
だからこそ、評価軸も曖昧だし、エッセンシャルが何かも明確にできていない
さらに言えば、評価軸が本当に正しいかどうかも、考えた量に依存するのかなと思っている
なんも考えていないぺーぺーが突然これは譲れない軸だとか言い出しても、本当にそれが大事な軸なの?と疑問に思ってしまう
それがこの本に潜む罠なんじゃないか
エッセンシャル思考は確かに優れた考え方である
しかし、この考えかたが使えて、生かせる人は一握りだろう
というのも、人生で成し遂げたいことが明確で、必要なもの不必要なものを見極められる経験が備わっているかが前提になるからだ
なんとも実践が難しい思考法の本だったと思う
いつかこれが自分にあてはまる日が来るように、ひたすらに経験を積むのみだ